外国人技能実習生を取り巻く監督指導状況について

外国人技能実習生が増加しています。受け入れ事業所は適切に実習を実施すべきですが、残念ながら問題になる場合も少なくありません。今回は、外国人技能実習生を取り巻く監督指導状況や違反数、違反に対する是正申告数等に焦点を当てます。

日本での外国人技能実習生の増加について

法務省データによると、平成29年10月末時点で日本にいる外国人技能実習生は25.8万人います。外国人技能実習生の国籍別、職種別の数に関しては年によって変化がありますが、技能実習生の総数は毎年右肩上がりになっています。

人手不足に悩む日本企業にとって、今や外国人技能実習生はなくてはならない存在です。

2019年に改正入管法が施行され、特定技能という新たな在留資格が創設されました。技能実習は業種によりますが特定技能1号への移行が可能です。

改正入管法が施行されて数年は、特定技能の在留資格を持つ外国人の多くが技能実習からの移行組という業種も出てくると想定されています。

特定技能という新たな在留資格の創設によって外国人技能実習生の増加ペースは鈍るかもしれませんが、今後も多くの外国人技能実習生が日本で働くことになることは間違いありません。

技能実習生に対しての監督指導の現状

厚生労働省では、外国人技能実習生の実習実施者を対象にした監督指導の状況を取りまとめ、公表しています。

出典:「外国人技能実習生の実習実施機関に関する監督指導、送検等の状況」(厚生労働省)

厚生労働省の資料によると、平成28年に全国の労働局や労働基準監督署等の労働基準監督機関が実習実施機関に対して5,672件の監督指導を実施したところ、70.6%にあたる4,004件で労働基準関係法令違反が認められています。

出典:「外国人技能実習生の実習実施機関に関する監督指導、送検等の状況」(厚生労働省)

違反事項で一番多いのは違反全体の23.8%を占める労働時間です。次に多い違反事項は使用する機械に対して講ずべき措置などの安全基準で19.3%、そして割増賃金の支払いが13.6%と続きます。

監督指導実施事業場数が増加するに伴って違反事業者数も増加していますが、違反率にすると年々下がる傾向にあります。

違反に対する是正申告数の推移、申告内容の内訳について

平成28年に全産業の実習実施機関のうち70.6%にものぼった労働基準関係法令違反ですが、労働基準監督機関に対して労働基準関係法令違反の是正を求めた技能実習生による申告はたったの88件でした。

平成26年までは100件を超える申告数で推移していましたが、平成27年は89件に留まっています。
参考)「外国人技能実習生の実習実施機関に関する監督指導、送検等の状況」(厚生労働省)

■申告内容
平成28年における主な申告内容は、賃金や割増賃金の不払いが83件で一番多く、続いて最低賃金額未満の約定賃金額が12件、解雇手続きの不備が11件という内訳になっています。
参考)「外国人技能実習生の実習実施機関に関する監督指導、送検等の状況」(厚生労働省)

■技能実習生の是正申告件数が低い理由
労働基準関係法令に違反している実習実施機関が高い確率であるのに対し、技能実習生による違反の是正申告の件数が低い理由の一つは技能実習生の借金です。

技能実習生は来日するために送り出し機関に多額のお金を支払う場合があり、借金を背負ってる人が少なくありません。少なくとも借金を返済できる分は日本で働かなければなりません。

■転職の難しさ
また、転職の難しさも違反の是正申告件数の低さに輪をかけています。転職もできず、国に帰ることができなければ、劣悪な環境の職場であっても働き続けるしかないという状況の人がいます。

「技能」以外に雇用を検討してほしい在留資格

実習実施機関の中には人件費を安く抑えつつ、人材を確保したいという狙いがある企業もあるはずです。

しかし、技能実習生にも最低賃金制度が適用されますし、残業や休日出勤では割増賃金を支払う必要があります。

また、技能実習生を雇用するために送り出し機関との中間に存在するブローカーへのマージン支払いや講習費や渡航費など受け入れにかかる費用も小さくありません。

技能実習生にこだわるなら技能実習生でも良いですが、どうせお金を支払って外国人雇用をするならば検討したいのが在留資格「技術・人文知識・国際業務」です。

学歴や職務の専門性等、在留資格取得のための審査要件が厳しい分、技術・人文知識・国際業務といった在留資格を取得する外国人は企業にとって有益な労働力となるはずです。


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